渋谷オフィス新規開設の理由とは

さまざまな業界からエンジニア、クリエイターが集い、モビリティの進化に貢献する拠点をつくる。

日立Astemoは、モビリティの進化に貢献する技術開発拠点として、「渋谷オフィス」を開設します。渋谷オフィスは、SDV(Software Defined Vehicle)の進展や、モビリティ業界における急速な変革により迅速な対応ができるよう、先端技術の開発拠点として、2025年4月から稼働予定です。今回は渋谷オフィス開設の背景や、開設後に期待される役割などをお話しします。

工藤 真
モビリティソリューションビジネスユニット 副ビジネスユニット長コーポレートオフィサー(インタビュー当時)

1990年に日立製作所へ入社後、半導体(高速トランジスタなど)の研究に従事。2014年、日立Astemoの前身である日立オートモティブシステムズに転籍、自動運転技術の開発を担当。2019年からは製品開発を担う事業部に異動し、ビジネス全体を統括するポジションで活躍している。

渋谷オフィスの設立背景

――― 渋谷に新拠点を開設する狙いは何でしょうか?

工藤:現在、モビリティ業界では急速な変革が進行中です。私たちはこの変革に迅速に対応するため、さまざまな技術背景を持つエンジニアやクリエイターが必要と判断し、多くの方にとってアクセスの良い渋谷に先端技術の開発拠点を開設することになりました。

――― 渋谷オフィスの主な開発テーマを教えてください。

工藤:次世代モビリティに搭載するEVや自動運転関連の制御技術、それらを統合した統合コントローラユニットの開発に取り組む予定です。自動運転の時代になり、従来に比べてソフトウェアの比重が大きくなっています。自動運転はもちろん、自動運転の一歩手前の運転先進サポート(ドライバーの運転アシスト、緊急ブレーキ、車線逸脱防止など)に関する開発がメインです。

――― モビリティの進化に対応するためなのですね。

工藤:そうですね。渋谷オフィスでは、モビリティの進化に貢献する先端技術開発や、SDVに対応したソフトウェア開発など、Tier0.5サプライヤーとしての能力強化と同時に、従来のクルマづくりにとらわれない、未来のモビリティを見据えた技術開発を進めていきます。

――― クライアントや外部パートナーとのコラボも期待されているとお聞きしました。

工藤:近隣にはクライアントの開発拠点はもちろん、ソフトウェア関連の開発企業が多数あります。そういった方々も気軽に渋谷オフィスに足を運べるので、議論やコラボレーションする機会が増やせると考えています。

渋谷オフィスの概要

――― 渋谷オフィスの概要について教えてください。

工藤:渋谷オフィスはJR渋谷駅の新南改札に隣接する好立地に位置し、2023年11月に竣工した大規模複合施設の渋谷サクラステージに開設いたします。執務スペースからは、渋谷の街並みを見下ろすことができ、開放的なオフィスとなっています。

――― オフィスにはどのような特徴があるのでしょうか?

工藤:2025年4月のOPENに向けて準備中ですが、「共創を促進するオープンな価値創造拠点」をコンセプトに、オープンなデザインや、仕事によって居場所を柔軟に決められるABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)を採用しました。

――― フレキシブルに働けるオフィスなのですね。

工藤:そうなんです。全席フリーアドレスとなっており、チームでアイデアを出し合う議論だけでなく、個人での集中作業など、従業員が主体的に活動に適した場所を選べ、生産性向上や創造性の広がりを促すデザインとなっています。 

――― オフィス設備にもこだわっていると聞きました。

工藤:例えば会議設備ですね。よりリアルにオンライン会議が実施できるようなツールの導入などで、他拠点メンバーとの一体感の醸成を狙っています、これは一つの例ですが、他にもエンジニアが最高のパフォーマンスを発揮できるような開発環境やツールを用意しようと考えています。

求めている人材

――― どのような力を持った方が活躍できそうでしょうか?

工藤:自動車業界は100年に一度の技術革新が起こっています。求めているのは、新しい視点やアイデアです。例えば、AIエンジニア、自動車以外の業界のシステムエンジニア、ゲームクリエイターなどですね。「無線が得意」「高速通信が得意」「グラフィックが得意」など、どれか一つに尖った方々が集合し、強いチームをつくっていきたいです。

――― 自動車業界以外の経験者も歓迎しているのですね。

工藤:重視するのは、向き合ってきた製品やサービスというよりも、技術的なノウハウや知見です。例えば、ゲームにおける3D空間でキャラクターを操作し、さまざまなアクションをプログラミングしてきた方が、自動運転車両のシミュレーションにおいて3Dセンシング技術の開発に関わるなど、異なるフィールドで活躍してきたエンジニアやクリエイターでも十分活躍できる可能性を秘めています。

――― スムーズに業務に取り組むための体制づくりはどのようにするのでしょうか?

工藤:技術領域ごとのチーム制をとろうと思っています。チームの中には、当社の別拠点で活躍しているベテランのエンジニアが入り、メンバーを支援していく予定です。開発面を一緒に考えていくことはもちろん、社内の仕組みやルール、人材のネットワークなどさまざまな面でフォローしていきますのでご安心ください。

――― 渋谷オフィスの規模はどのくらいになりますか?

工藤:見通しとして渋谷オフィスは、200名程度からスタートする予定です。その後、2026年、2027年と段階的に規模を拡大していく見込みです。

渋谷オフィスで働く魅力

――― 渋谷オフィスで開発に携わるやりがい・面白みは何でしょうか?

工藤:次世代モビリティに搭載する自動運転ユニットなどを開発するため、常に最新技術に触れながら、未来のモビリティに貢献できるのが魅力だと考えています。未知の領域でチャレンジできるのが面白みでしょうか。

――― 未知の技術領域への挑戦も多いのでしょうか?

工藤:現在、「自動運転をどうやって実現しよう」と、世界中で競争をしている段階です。まだまだ制限も数多く残っています。与えられた仕様のプログラムを淡々とこなすのではなく、難度の高い課題を、どうやって解決していくかを議論し、形づくっていける点が醍醐味かもしれません。

――― 向き合う技術のテーマも幅広そうですね。

工藤:「危険なシーンを予測する」「地図に沿ったルートを走っているかを監視する」「ドライバーの気が散っていたらアラートを出す」など、新しく考えないといけないテーマは本当に沢山あります。培ってきた技術を、どんなテーマで活かしていくのかもしっかりと相談して決めていきます。

――― 最後に、これから入社する方に期待することを教えてください。

工藤:技術が高度化、複雑化する中で、一人だけで完結できる業務はありません。さまざまなバックグラウンドを持つエンジニアが集合し、チームで力を発揮することで課題の解決が実現できると考えています。スピーディーで質の高い技術開発、モビリティの進化に貢献する開発にチームで取り組んでいきましょう。

※本記事の内容は2024年11月時点の情報です。情報が変更となる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

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